職場の同僚からの退職祝いのサプライズ。6つのストーリー。
しないはずの退職祝いを花束でサプライズ!
前職の先輩の退職時の話です。
以前は、会社から花束を送ったり、みんなで送別会をしたりしていたのですが、円満退社でない社員が出てからは、社長が「もう、今後は退職者に特別なことは何もしてやるな!」と怒ってしまい、トラブルになったことがあります。その先輩は円満退職でしたが、トラブルが出た後の最初の退職者だったため、本人も何もないだろうと思っていたようです。
しかし、会社にこれだけ貢献をした人なのに、それは酷すぎる!と、同僚みんなでこっそり寄せ書き、花束、記念品を用意して、サプライズで渡しました。小さい会社だったので、社長にバレないように準備を進めるのはなかなか大変でしたが、それでも、普段クールだった先輩が、涙目になり、コメントに詰まっていて、感動してくれたのが伝わってきて、サプライズをして本当に良かったな、と思いました。
優しさで泣いてしまった退職日。
私は、社会人になって最初の仕事は、2年と持ちませんでした。同僚、先輩を始め、上司や社長にまで呼び出され、退職を考え直すよう止められましたが、仕事に完全に自身がなくなっていた私は、受け入れることができず、頑なに辞める事を決意しました。
そんな状態の中で、退職までの2ヶ月はとても職場にも居にくかったです。最終日、就業時間が近づくにつれ、職場の人たちとの会話も減っていき、帰り際に何を言って別れれば良いのだろうかと考えていたところ、私の就業場所へ、他店勤務のスタッフも集まってきました(普段は各店から直帰のため集まらない)。
みんなから、とても大きな花束と「次の職場でも頑張っていくように。たまには、この職場へも遊びに来て欲しい」という言葉をもらいました。
みんなの優しさに本当に救われ、とても良いスタッフに囲まれて仕事をさせてもらっていたのだと実感し、泣いてしまいました。私は、何度か転職をしてきましたが、一番嬉しかった、感動した退職日でした。
大合唱でお誕生日ソングを!
二十代半ばに結婚が決まり、三年という短い勤務を終えることになりました。
三年しか勤められませんでしたが、濃い日々を過ごし良い先輩や後輩、上司にも恵まれ楽しく仕事が出来ました。結婚と同時に主人の勤務地への引越しもあり、地元を離れることもあり、寂しく思っていました。
退職する当日も普段通りに仕事をこなしながら最後の引継ぎを行い終了。終礼ではちょっとした挨拶をして、皆さんからもお言葉や花束を頂いて、涙の終礼になりました。もう会社に顔を出すことも出来ないので、とても寂しく感じていましたが、嬉しかったことは忘れないでいます。
ところが終礼が終わったと同時に電気が消され、奥からケーキの登場。退社後すぐに誕生日を迎える私のために、お祝いが出来ないからと特別に準備していてくれたのです。大合唱でお誕生日ソングを歌ってもらい、ろうそくの火を消す時には涙でぐちゃぐちゃでした。
そんな気遣いの出来る仲間と一緒にお仕事を出来たことに心から感謝しました。今でも忘れられない退職日でした。
会社の規模縮小と、年齢を考えて転職をしようと考えていた時期が重なり、一か月前に退職届をだし、1カ月間引き継ぎをしました。
うちの会社は歓迎会はしますが、送別会という風習はなく、嫌な顔をされたり、辞める人間に対して嫌な事をするなんてことはないけれど、旅立ちはあっさりとした会社でした。
私が辞める日に一人一人に挨拶に行くと1時間ほどかかりました。
皆は残業で残っており、全体にお疲れ様でしたと告げて会社を出ようとした時、チームのメンバーがパソコンをオフにし、
(挨拶遅いですよ。さ。行きますよ)と皆で席を立ったのです。
いつもミーティングなどで使う料理屋さんを貸切予約してくれており、お花や写真、手紙など沢山いただきました。
うちの会社は24時間フル可動なので時間によってシフトを分けているのですが、夜勤の子も最初の乾杯だけは参加してくれ、私と同じ時間の同僚は休みの子も出てきてくれ
涙あり、大笑いありの楽しい宴会をしてくれました。
送別会なんてないだろうと思っていましたと言うと、会社にとって本当に貢献してくれたからと社長は不参加でしたが、経費で行ってこいと行ってくれたそうです。
本当にいい会社に勤めたと思います。
何と取引先に全員が集まりお祝いを・・!
数年働いていた情報誌の編集・営業の会社を退社することになりました。
すごく働き甲斐があり、営業成績は常に1番。それも仲間や上司のおかげ。ホントにみんな和気あいあいと仲の良い職場でした。実家の都合でどうしても辞めなければいけなくなり、直属の上司や社長にも止められましたが、結局3週間後に退社が正式に決まりました。
ただ仲間のみんなには伏せておいてほしいとお願いし、引き継ぎ等でバレ無いように上司と水面下でやりとりし、どうにか退社日を迎えることが出来ました。当日の朝、ミーティングの時に私の退社を伝えてもらい、挨拶を済ませその日の業務に就きました。みんな驚いた顔をし、私に色々聞きたそうな顔をしていたのを今でも覚えています。
業務が終わり最後の挨拶をして帰ろうとすると、上司に引きとめられ「一番の取引先に挨拶に行くから19時に来て」と、ある飲食店(その取引先の経営するお店)に呼ばれました。19時きっかりに到着するとお店の中はシーンとしていて通常は営業している時間なのに誰も出て来ないのです。
不安になった私は上司の携帯に電話をするも応答なし。仕方なく奥へ進むとここを開けてくださいという張り紙が。恐る恐る開けてみると、そこには職場の仲間全員と今まで私が仕事で関わった取引先のクライアント。そして会社の社長や役員までが勢ぞろいでした。締め切り前で1番忙しい時に・・・普段なら家にも帰らず会社で寝泊まりするぐらい忙しいこの時期に、仕方なく会社を辞めざるを得なくなった私の為に開いてくれたサプライズでした。
最初は驚きと嬉しさに感動してしまい、ずっと我慢をしていた涙があふれ出て止まりませんでした。あれから数年、今でもその時の上司や仲間、取引先の人たちと年に数回集まって飲み会を開いています。大人になってからこういう心が通じ合うことがあるんだな…と。この人間関係は今では私の財産の1つです。
花束とぬいぐるみお祝いを・・。
農機具の修理をする工場で、事務員として働いていました。
10人居る職員は、私の他は全て50才代の男性ばかり。最初はとっても続かないなと思っていました。ですが、二人目を妊娠し、クビ覚悟で上司に報告をしたところ手放しで喜んでくれ、全員を集め「お腹に赤ちゃんがいるから重い物は絶対持たすな」「困っていたら全力で助けてやれ」などとても大切に扱ってくれました。絶対この職場から離れたくない。そう思っていました。
しかし奇しくも実家から連絡があり、実家の会社の事務員をどうしてもやって欲しいと言われました。身を引き裂く思いで退社を決意。涙ながら上司に報告しました。
退社式の後送別会を開いてくれたのでが、プレゼントとして抱えきれない花束と大きなぬいぐるみを貰いました。50過ぎのおじさんがこんな物を買いに行くのはとても恥ずかしかったはずです。自分の我儘で退社する私にプレゼントまで用意してくれたみんなの優しさに大泣きしてしまいました。
全員がオロオロし「こんなぬいぐるみすきじゃなったか」「だから違う物の方が良かったんだよ」と言い出したので思わず吹き出すと、みんなで爆笑してしまいました。
こんないい職場には二度と出会うことはないと思います。